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まねごと

  • 執筆者の写真: Momoyo
    Momoyo
  • 2021年12月18日
  • 読了時間: 2分

この言葉は音楽家には大事な言葉です。

コンサートのまねごとのような発表会を経て、

チケットを売るような

コンサート本番を弾くようになる。


けれども、このまねごとが度を越すと、

発表会の方が本当のコンサートより

華美だったことがあったなあ、

と感慨にふける私。


ちょっとおしゃれをして、

発表会が嬉しい日になるなら

良いと思うのですが、

親御さんがクリエイティブすぎて

大変な格好になって

(バレエの発表会より華美!)

発表会に臨むケースは

往々にしてあったと思います。


自分も母が作ってくれたワンピースは、

めちゃくちゃ嬉しかったので、

弾いたのが何だったかほぼ忘れたのに、

あの年のピアノの発表会は

好きな服だったなあ、なんて

良い思い出ですが、


可哀想なわが娘は、

ベルギーの発表会ではそこまで

みんなおしゃれしていなかったので、

日本の生徒さんと混じって弾いた

発表会の時、けおされて、

みんなの演奏を聴く間に

だんだん真っ青になって

コンサート・ホールから、

いつの間にかいなくなってしまいました。


今思えば、可哀想なことをしたな。

そう思うし、先生と二人で

バッハの二台バイオリンのコンチェルトだったから

たった一人じゃないし楽しみにしていたのに、

何がいけなかったんだろう、

私は未だに考えることがあります。


みんなのお洋服を見たら、

びっくりしたの、

あとでそう言っていたことだけが、

頭に残っていますが、

だからどうできたのかは

私にもわかりません。


ただのまねごとなのに、

親からしたらそう思ってしまいます。

でもフリフリのドレスをまとった子供たちが、

娘には超本気の本番の人たちに

見えたのに違いありません。


場違いな気持ちになったのか、

急に「話が違うじゃない」と思ったのか。


娘の子育てでは、

たくさんの失敗をしてしまいましたが、

あの、トリを務めるはずだった発表会で、

弾くことができなくて

階段の下で泣いていた娘を

思い出すと、

何がとかどこがとか関係なく、

「こういう状況を予測できなかった自分って、

なんて悪い親だろう!」

という気持ちでいっぱいになります。


親のせいじゃないよ、

そう言ってくれる人もいると思いますし、

大体「私に何かできたはずだ」

と思うこと自体、謙虚じゃないのかもしれません。


ただ、まねごとで華美になりすぎる事は、

「えっこれって本気だったの?」

と見紛うことがあって危険だということじゃないかなと

今は思います。


見た目が内容を凌駕しないこと。


中身で勝負したい、そこが重要なのかな、と

年齢を重ねた今、特にベルギーはそういう国だと

わかります。


桃代













 
 
 

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